部分矯正とは
部分矯正は、従来の全体矯正とは異なり、気になる部分だけを整える矯正治療です。通常の矯正治療では歯列全体を動かして、歯並びや噛み合わせを改善しますが、部分矯正は特定の部位に限った治療であり、比較的短期間で、かつ安価に治療を行えるのが大きな特徴です。
前歯の軽度な乱れや矯正治療後の軽度の後戻りを改善したい場合などに適しており、歯を美しく整えることができますが、噛み合わせの調整には限界があります。
部分矯正は、治療対象が限られるため、治療期間はおおよそ2ヶ月から1年程度と短期間で終了することが一般的です。ただし、部分矯正が適用できるかどうかは、お口の状態によって異なるため、歯科医師による診断が必要です。お気軽にご相談ください。
部分矯正のメリット・デメリット
メリット
気になる部分だけを改善できる
部分矯正は、特定の歯の不正を改善できます。1本だけ歯がねじれている場合や前歯の軽度なズレなどに適しています。前歯のみを対象にするため、奥歯の動きや骨格に関わる不正歯列には対応できません。正確な診断と治療計画が必要なため、矯正専門医と十分に相談することが重要です。
短期間での治療が可能
部分矯正は、治療範囲が限定されているため、全体矯正と比べて治療期間が短いのが大きなメリットです。症例によって異なりますが通常、2ヶ月~1年程度で治療が完了することが多く、短期間で理想の歯並びを実現できます。
治療費用が安い
部分矯正では、装置を取り付ける範囲が限られているため、全体矯正に比べて治療費用が安く済みます。治療にかかるコストを抑えたい方にとって、部分矯正は非常に魅力的な選択肢です。
違和感などに慣れやすい
部分矯正は、装置の装着範囲が限定されているため、全体矯正に比べて違和感や痛みを感じることが少なく、治療に早く慣れることができます。
デメリット
適応症が少ない
部分矯正は、軽度の歯列不正に対応する治療法であるため、適応症例が限られます。特に、抜歯を伴う症例や骨格的な問題を抱える症例には対応できません。そのため、部分矯正が適用できるかどうかは、歯科医師の診断に基づいて判断されます。
全体矯正よりも仕上がりは劣る
部分矯正は、治療範囲が限定されるため、全体的な噛み合わせや歯並びを整える全体矯正と比べると、仕上がりに限界があります。治療結果に対しての期待や不安は、事前にしっかりと説明を受けてから決定することが大切です。
ストリッピングが必要な場合がある
部分矯正では、歯を動かすためのスペースを確保するために、歯と歯の間をヤスリで少し削る「ストリッピング(IPR)」という処置が行われることがあります。ストリッピングは、歯のエナメル質を0.2mm~0.3mm程度わずかに削るため、むし歯のリスクはほとんどありませんが、必要な場合もあるため、事前に説明を受けておくことが重要です。
部分矯正の適応について
部分矯正が適応できるケース
部分矯正は、特定の条件を満たす場合に適用されます。以下のような症例では、部分矯正が効果的である可能性があります。
症例が軽度であること
部分矯正は主に軽度の歯並びの乱れに対応します。抜歯や骨格の問題が関与する症例には適用できません。たとえば、軽度の八重歯や前歯の隙間には部分矯正が有効ですが、側切歯が後方にずれている場合などは難しいことがあります。
奥歯の噛み合わせが正常
部分矯正は、奥歯の噛み合わせが正常である場合に適用されます。奥歯の噛み合わせに問題がある場合、前歯のみを動かすことで全体の噛み合わせが悪化する可能性があるため、奥歯の噛み合わせが正常であることが前提条件となります。
前歯の噛み合わせが正常であること
部分矯正は、前歯の噛み合わせに異常がない場合に有効です。出っ歯や開咬、深い噛み合わせなど、重度の噛み合わせの問題がある場合は、全体矯正が必要となります。
抜歯を必要としないこと
部分矯正では抜歯を行わず、既存の歯を使用して歯並びを整えます。そのため、抜歯が必要な症例や口ゴボなどで全体の後方移動が必要な場合には適用されません。
部分矯正の適応が難しいケース
歯並びが著しく不規則である
歯並びが大きく乱れている場合、部分矯正では不十分で、全体矯正が必要となることがあります。
治療を希望する歯の噛み合わせに問題がある
部分矯正では、噛み合わせに問題がある歯を治療するのが難しく、全体的な噛み合わせの調整が必要です。
骨格に問題がある
骨格に問題がある場合、部分矯正では十分に対応できず、骨格の矯正を含む全体矯正が必要です。
全体的な咬み合わせの矯正が必要
部分矯正では、全体的な咬み合わせの調整ができないため、全体矯正が必要なケースです。
当院の部分矯正
マウスピース矯正(インビザライン)
歯列を整えたい部分が一部分であっても、歯全体を覆うマウスピースを使用します。
通常の全顎矯正と同様に、1日20時間以上の装着が必要です。マウスピースは透明で目立ちにくいため、周囲に矯正治療をしていることを知られずに治療を進めたい方には、非常に適した方法です。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面または裏側にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して歯列を整える方法です。目立ちにくい装置もご用意しております。部分矯正の場合、装置を取り付ける範囲が限られているため、手入れがしやすく、細かい調整が可能です。